FTBサムネイル

シマノのベイトリールのブレーキシステムといえば電子制御ブレーキのDCブレーキや遠心ブレーキのSVSなどが有名ですが、もう一つベイトフィネス専用のブレーキとしてFTBというブレーキシステムが存在します。

このシマノが採用しているベイトフィネスブレーキであるFTBを徹底的に紹介し、どんなブレーキなのかを紹介します!

FTBってどんなブレーキ?

FTBサムネイル
FTB(フィネスチューンドブレーキ)とは、シマノがベイトフィネスリール専用に作ったブレーキシステムで、FTBは6~8個のマグネットとバネの力でキャスト直後は強いブレーキがかかり、スプールの回転が落ちていくと、ブレーキも弱くなっていく「可変式マグネットブレーキ」システムとなっています。

そして、他のメーカーにはない特徴としては【スプールにブレーキシステムがついていない】という点です。
スプール内部

FTBはサイドカップについているマグネットがスプールに直接影響するため、スプールに余計なものを付ける必要がないため、ベイトフィネスリールの一番重要なスプールを軽くするというメリットを最大限発揮するブレーキといえます。

FTBはサイドカップに円柱状のパーツが付いており、側面にマグネットが付いています。
FTB側面

この円柱状のパーツがスプールの中に入り、マグネットで直接スプールの回転にブレーキをかけます。
FTBスプール装着

FTBのブレーキの強さは外部ダイヤルを回すと、円柱状のパーツが出たり入ったりすることでブレーキの強さが変わるようになっています。
FTBブレーキ比較


FTBでキャストできるルアーウェイトは?

FTBルアーキャストウエイト

FTBはベイトフィネス専用ブレーキですので、当然ですがあまり重たいルアーをキャストするために作られていません。

合わせるベイトロッドやラインシステムにも大きく影響されるため、ベイトタックルのセッティングで変わりますが、3~10g(7/64~3/8oz)の範囲であれば問題なくキャストは可能です。

10gを超えるルアーをキャストするのは【スプール破損】【高切れ】【ブレーキ力不足】の点からみておすすめはできません。

10gを超えるルアーをキャストする場合はベイトフィネスリールではなく、通常のベイトリールを使ったタックルでキャストするようにしましょう。



FTBのブレーキ調整方法

FTBダイヤル1
FTBは内部のマグネットの個数を6~8個に調整することができ、外部ダイヤルで更に調整ができる2段階調整ブレーキです。

追加のマグネットはベイトリールに付属しており、追加用マグネットには片方に「N」と書いてあります。
追加マグネット裏表

内部ブレーキには追加用マグネットを入れるためのスロットがついており、マグネットを近づけるとカチッとスロットにはまります。
マグネット穴

マグネットを追加するときは必ずNマークが表に出るようにスロットにはめ込むようにしないとブレーキがかからないため注意が必要です。
追加マグネット装着

追加したマグネットを取り外したい場合は、マイナスドライバーなどを近づけるとマグネットが引っ付きますので、そのまま上にあげると取れます。
追加マグネット取り外し1

追加マグネット取り外し2

外部ブレーキはダイヤルとなっており、1~6の数字が割り振られており、1がブレーキ力が一番弱く、6に進むにつれてブレーキが強くなります。
FTBダイヤル6

内部のマグネットに関しては基本は6個で問題はありません。悪条件下などでの釣りをするときのみマグネットを追加するようにすればいいでしょう。



FTBの性能を最大化させるタックルセッティング

FTBのブレーキを最大限活かすためには、ベイトタックルのセッティングがかなり重要です。

タックルセッティングを間違えると、いくら素晴らしいベイトフィネスリールといっても性能を発揮することはできません。

特に【ベイトロッド】と【ライン】の選び方がとても重要です。

しっかりとFTBの性能を最大限生かすタックルセッティングをすれば1gのルアーもキャストができるようになるため、特にアジングなどのソルトライトゲームをやってみたいという人はぜひ参考にしてみてください。

FTBに合わせるベイトロッド

1gのルアーをキャストするために必要な性能は、曲がりやすいベイトロッドを選ぶことです。

キャストするルアーが軽いため、硬いロッドを選んでしまうとロッドを曲げきることができずにルアーを飛ばすことができず、バックラッシュも多発してしまう可能性がでてきます。

実際にベイトロッドをもって振ってみて、簡単に曲がるベイトフィネスロッドを選ぶといいでしょう。

FTBの性能を最大化させるライン選びとセッティング

FTBの性能を最大限に発揮するのであればラインセッティングがかなり重要になります。

その中でも覚えておいてほしいポイントを2つ紹介します!

まず一つ目のポイントは【PEラインを使う】ということです!

理由としてはPEラインはフロロやナイロンと比べて【軽く】【強い】という特性があるため、ベイトフィネスリールと相性が抜群です。

PEラインを使うことで、ラインを巻いた時のスプールの重量を軽くすることができ、より軽いルアーをより遠くにキャストすることができます。

「ライン一つでそんなに変わるのか?」と思うかもしれませんが、初心者でもハッキリとわかるぐらいに違います!

FTBが使われているシマノのベイトフィネスリールを使うときは一度でいいからPEラインを巻いてみてください!ナイロンやフロロには戻れなくなります!

二つ目のポイントは【ラインの糸巻き量を少なくする】ことです!

ベイトフィネスリールでの釣りは基本的に近距離での釣りになります。

遠くても40mも飛ばすことはほとんどありません。

アジングやメバリングで1g前後のルアーをメインとするのであれば30mラインを巻けば十分です。

不要なラインを巻いてしまえばスプールが重たくなり、FTBのメリットを活かすことができなくなります。

基本はルアーのキャスト距離+10mぐらいまでにしましょう!

高切れでラインが減ることを考えるのであれば、50mぐらいのPEラインをリーダーのスプールに巻いて現場に持ってくるようにすれば、ライントラブルで即終了になることを避けることができます。



FTBが採用されたベイトリールは?

FTBが採用されたベイトリールは現在4機種あり、商品名に「BFS」が付いています。
それぞれのベイトフィネスリールの特徴を紹介します。

17カルカッタコンクエストBFS

17カルカッタコンクエストBFS

品番ギア比最大ドラグ力(Kg)自重(g)スプール 径(mm)/幅(mm)糸巻量フロロ(lb-m)最大巻上長(cm/ハンドル1回転)ハンドル長さ(mm)ベアリング数BB/ローラ―夢屋ハンドルノブタイプ夢屋ハンドルタイプ本体価格(円)商品コード
Right6.8420032/218-45684212/1ABH-154,000円036759
Left6.8420032/218-45684212/1ABH-154,000円036766

引用元: SHIMANO

シマノのFTB搭載のベイトフィネスリールの中でハイエンドに位置するベイトリールです。

17カルカッタコンクエストBFSの最大の特徴は【ベイトフィネスリールなのに金属ボディで高い剛性を持った丸形ベイトフィネスリール】です。

これはシマノ唯一のベイトフィネスリールであり、他社のベイトフィネスリールにもありません。

ベイトフィネスリールの中ではかなり重たいリールになっていますが、金属ボディとマイクロモジュールギアが入っているため、巻き心地はまさにカルカッタコンクエストの「官能的な巻き心地」を持ったリールです。

丸形リールはウッドグリップやコルクと相性がいいため、渓流のトラウトゲームにもよく使われているベイトフィネスリールです。

16アルデバランBFS

16アルデバランBFS

品番ギア比最大ドラグ力(Kg)自重(g)スプール 径(mm)/幅(mm)糸巻量フロロ(lb-m)最大巻上長(cm/ハンドル1回転)ハンドル長さ(mm)ベアリング数BB/ローラ―夢屋ハンドルノブタイプ夢屋ハンドルタイプ本体価格(円)商品コード
RIGHT6.53.513032/228lb-45m65429/1ABH-146,000円037879
LEFT6.53.513032/228lb-45m65429/1ABH-146,000円037886
XG RIGHT83.513032/228-4580429/1ABH-146,000円035158
XG LEFT83.513032/228-4580429/1ABH-146,000円035165

引用元: SHIMANO

シマノのベイトフィネス内だけではなく、他社のリールも含めても【トップクラスに軽いベイトフィネスリール】です。

ベイトフィネスの釣りは片手でキャストすることも多いため、リールの軽さは武器になります。

FTB搭載のベイトフィネスリールの中で、一番におすすめできるベイトフィネスリールであり、いまだに売れ続けているベイトリールです。

17スコーピオンBFS

17スコーピオンBFS

品番ギア比最大ドラグ力(Kg)自重(g)スプール 径(mm)/幅(mm)糸巻量フロロ(lb-m)最大巻上長(cm/ハンドル1回転)ハンドル長さ(mm)ベアリング数BB/ローラ―夢屋ハンドルノブタイプ夢屋ハンドルタイプ本体価格(円)商品コード
Right6.33.516532/228-4563427/1ABH-135,000円037558
Left6.33.516532/228-4563427/1ABH-135,000円037565
XG Right8.23.516532/228-4582427/1ABH-135,000円037572
XG Left8.23.516532/228-4582427/1ABH-135,000円037589

引用元: SHIMANO

シマノのFTB搭載のベイトフィネスリールの中で【比較的値段が安く、手が出しやすいベイトフィネスリール】です。

性能としてはパッと浮かぶ特徴はありませんが、しっかりとベイトフィネスリールに必要な性能を持っており、ベイトフィネスの釣りを試してみたいという人におすすめのリールです。

21SLX-BFS

21SLX-BFS

品番ギア比最大ドラグ力(Kg)自重(g)スプール 径(mm)/幅(mm)糸巻量フロロ(lb-m)最大巻上長(cm/ハンドル1回転)ハンドル長さ(mm)ベアリング数BB/ローラ―夢屋ハンドルノブタイプ夢屋ハンドルタイプ本体価格(円)商品コード
RIGHT6.33.517032/228-4563423/2/1ABH-124,000円043689
LEFT6.33.517032/228-4563423/2/1ABH-124,000円043696
XG RIGHT8.23.517032/228-4582423/2/1ABH-124,000円043702
XG LEFT8.23.517032/228-4582423/2/1ABH-124,000円043719

引用元: SHIMANO

シマノのFTB搭載のベイトフィネスリールの中で最新のベイトフィネスリールです。

値段はスコーピオンBFSと比べても1万円以上安くなっており、ドラグ引き出し音もついています。

ただし、純正のスプールがスコーピオンBFSと比べて重いため、3g以下のルアーのキャストは難しいといえます。

3g以上のルアーをメインでキャストするという人には、コストパフォーマンスがいいSLX-BFSはおすすめです。



FTBまとめ

FTBとは、シマノの可変式マグネットブレーキであり、スプールに余計なパーツがつかないため、スプールをより軽くすることができるブレーキシステムです。

最初はマグネットを6個にしようかそれとも増やそうか?と考えたりするかもしれませんが、慣れてくればかなり直感的に使える素晴らしいベイトフィネスブレーキとなります。

ぜひ、ベイトフィネスタックルを使う上でFTBが搭載されたベイトフィネスリールを使ってほしいと思います。