ベイトリールのメンテナンスで一番重要なのは、どんなオイルとグリスを使うかで決まります。
微妙なオイルやグリスを使うと、どんなに丁寧にメンテナンスをしても、いいリールには仕上がりません。
それほどオイルやグリス選びは重要であり、リールの性能を左右する重要なものです。
また、オイルやグリスにも性格があり、うまく選べば自分好みのリールに仕上げることも可能です。
このページでは、ベイトリールメンテナンスにおすすめのオイルやグリスを紹介します。
オイルとグリスの性能は粘土や添加物で決まります
オイルとグリスと一言に言っても様々なオイルやグリスがあります。
いろいろなオイルやグリスの性能はどういったところで決まるのでしょうか?
粘度(ねんど)
オイルやグリスには、それぞれ【粘度(ねんど)】が違います。
サラサラしたオイルや粘り気がほとんどないグリスから、かなりドロドロしたオイルや粘り気の強いグリスまで様々です。
これはどちらがよいというわけではなく、使い分けする必要があります。
各メーカーでも、一つのリールに4~6種類のオイル・グリスが使われています。
添加物
オイルやグリスは油分だけではなく、色々な添加物が入っています。
塗った場所をコーティングする添加剤や、サビに強い添加剤など様々な種類の添加剤が入っています。
この添加剤をしっかりと確認しながら選ぶことで、ベイトリールの性能が上がったり、寿命を延ばすことができます。
ベイトリールに注すオイルとグリスの場所は?
ベイトリールのどの場所にどういったオイルやグリスをさせばいいのかを紹介します。
スプールを支えるベアリング
スプールを支える2つのベアリングは、スプールの回転に影響するベアリングです。
2つのベアリングとは、スプールに付いているベアリングとサイドカップに付いているベアリングのことです。
粘度の高いオイルを注してしまうと、スプールの回転が悪くなってしまうため、スプールを支えるベアリングは必ず【かなり粘度の低いオイル】を使うようにしましょう。
ギア
ベイトリールのギアは主にドライブギアとピニオンギア、ウォームシャフトギア、プラスティックギアがあります。
ギアにはギア用のグリスをギアの歯に塗ります。
粘度に関してはお好みですが、粘度が低いグリスでは巻きが軽快になり、粘度が高いグリスではギアノイズが少なくなり、滑らかな巻き心地になります。
ハンドルノブ
ハンドルノブにもベアリングが入っているものがあります。
ベアリングが入っていないものに関しては、あまり気にしなくてもいいですが、ベアリングが入っている物であれば注油はした方がいいでしょう。
オイルを注した場合は、抵抗が少ないため軽い巻き心地になります。
グリスを注した場合は、ノイズが少なく滑らかな巻き心地になり、サビにも強くなります。
オイル、グリスはお好みで選びましょう。
ボディ内部のベアリング
ボディ内部のベアリングに関しては、オーバーホールをするまで、注油することができないため、おすすめは粘度の低いグリスを注油することです。
粘度のグリスを注油すると、サビなどのトラブルはほぼなくなりますが、かなり巻きが重くなるためおすすめはしません。
また、オイルを注油するのも手ではありますが、こまめなオーバーホールが必要になり、ギアノイズも大きくなるため、あまりおすすめできません。
実際に使っている、超おすすめなオイル紹介
これから紹介するオイルは、実際にオーバーホールやメンテナンスに使っているオイルだけを紹介していきます。
どんな場面や、用途に使えるかも合わせておすすめのオイルを紹介していきます!
グリッチオイル テフロッソ
テフロッソは、非常に粘度の低いサラサラなオイルに、フッ素の添加剤が入ったオイルです。
フッ素は非常に摩擦係数の少ない素材で、テフロンもフッ素でできています。
テフロッソはサイドカップとスプールに付いているベアリングにおすすめなオイルです。
テフロッソはスプールとサイドカップのベアリング以外にもおすすめですか?
テフロッソはオイルも粘度が低く、フッ素も金属に定着はしないため、他のベアリングにはおすすめしません。またオイルを多く注しやすいボトルになってしまっているため、ニードルボトルに入れ替えて使うことをおすすめします。
ヘッジホッグスタジオ アルケミーオイル ウルトラライト
アルケミーオイルは、ミディアムライトとウルトラライトという粘度の違う2種類のオイルがありますが、おすすめはウルトラライトです。
おすすめポイントは最初からニードルボトルに入っているため、ベアリングに注しやすいという点と、超低粘度であるため、BFS系のベイトリールに特におすすめです。
アルケミーオイルはどんな時に使うのがおすすめですか?
主にベイトフィネスリールのオイルメンテナンスに使うのがおすすめです。
ベルハンマーGOLD
ベルハンマーGOLDは非常に高性能なオイルです。
ベルハンマーGOLDは普通のオイルとは違い、金属表面を独自の製法でコーティングすることで、金属同士の摩擦を減らし、サビにも強くなるというオイルです。
オイル自体は少し粘度が高いため、スプールの両端にあるベアリングには向いていません。
レベルワインダーやボディ内部のベアリングの一部に塗布することをおすすめします。
値段が高いと感じるかもしれませんが、1本買ってしまえば一生分使えるほどの容量ですので、かなりおすすめです。ノズルも長いので、色々なところにオイルを注しやすいのもポイントです。
おすすめグリス
IOS ギアグリス
IOSが発売しているギアグリスです。
容量はかなり少ないにも関わらず3000円を超える高級グリスで、ギアに塗るグリスです。
ですがその性能はすばらしく、使い古してギアノイズがひどくなったリールに塗ると、ギアノイズがあまり感じなくなり、回転も滑らかに復活します。
ギアノイズがするリールの巻き心地を改善したい場合や、巻きをしっとりした巻き心地にしたい場合におすすめです。
IOSギアグリスは値段の割に容量が小さい高級グリスです。ですが、ギアノイズの減少や巻き心地の向上は他のグリスでは感じられないほど素晴らしいグリスです!
MTCW MTGG
MTCWが発売しているグリスです。
MTCWが発売しているグリスはMTGGとMTDGがあり、GGはギアグリス、DGはドラググリスとなっています。
MTGGは
- MTGG-T
- MTGG-B
- MTGG-SW
- MTGG-SWH
と4種類ありますが、Tが一番粘度が低く、SWHが粘度が一番高くなっています。
DAIWAの軽い巻き心地を作りたいならMTGG-T、SHIMANOの滑らかな巻き心地を作りたいならMTGG-SWがおすすめです。
MTGGはどんなところに使えますか?
MTGGはギア全般に使えます。特にMTGG-TやBは粘土の低いグリスなのでベアリングにも使えるため、ほとんどの注油がこれ一つでできますよ!
シマノ SHIP-0 (旧名称:DG-06)
シマノが発売しているリール専用グリスは何種類かあるのですが、どれもかなりおすすめです
この中でもSHIP-0(DG-06)がおすすめなポイントとしては、ギア・レベルワインダー・ベアリングすべてに使える汎用性があるためです。
DG-06はかなりサラッとしたグリスですので、特にベイトフィネスリールとの相性は抜群です!値段も安く、容量もあるため買って損はないグリスです。
シマノ ACE-02 (旧名称:DG-04)
先に紹介したSHIP-0(DG-06)に比べると、粘度があるグリスです。
シマノ特有のしっとりとした滑らかな巻き心地は、このACE-2のおかげです。
ただ、粘度は高いためベアリングには向いておらず、ベアリングに注すとかなり巻きが重くなってしまうのでやめたほうがいいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。オイルやグリスを選ぶことで、ベイトリールを自分好みに変更することもでき、間違えてしまうと性能が落ちてしまうこともあります。
ぜひ、今回紹介したオイルやグリスを使ってぜひ自分の大切なベイトリールのメンテナンスに役立ててください!