ベアリングリフレッシュキットにベアリングをセット

ベイトリールやスピニングリールには、必ずベアリングという部品が使われています。

ベアリングの知識は、リールをメンテナンスする上で非常に重要な知識であり、ベアリングによってリールの性能が変わると言っても過言ではありません。

このページを見ると

  • ベアリングとは
  • ベアリングの性能チェック方法
  • ベアリングの脱脂方法
  • ベアリングへの注油方法
  • ベアリングへの注油はグリス?オイル?

がわかります。

ベアリングの正しい知識を手に入れれば、純正リールをより素晴らしいリールに性能UPさせることもできるため、メンテナンスの知識と一緒に覚えていきましょう!

リールの分解メンテナンス方法に関しては以下の記事を参考にしてみてください。

ベアリングとは?

ベアリングとは簡単に言うと、棒を固定しながら滑らかに回すための部品です。

ベアリング

赤く表示している部分を「外径」、黒く表示している部分を「内径」と言います。内部のボールはそのままボールと言われており、ボールが回転することで摩擦のない回転を実現しています。

ベアリングのサイズは「外径」「内径」「幅(厚み)」を表記して売られています。

リールメーカーのパーツ価格表にも「SRBB(4×8×2.5)」等で表記されており、同じサイズのベアリングであれば、社外品のベアリングでも問題なく使えます。

同じサイズのベアリングを探すときは「ベアリング 4mm 8mm 2.5mm」という感じで検索すればリールで使われているベアリングと同じサイズのベアリングはすべて見つかります。

リールメーカーのベアリングは1個で1500円以上するものも多いですが、社外品であれば10個で2000円など安価で買えるため、試してみるのもいいでしょう。デメリットとしては社外品は質があまり良くないものもあるため、そこは覚悟しておきましょう。

ベアリングの種類

ベアリングはサイズ以外にもいくつもの種類が存在します。

  • オープンボールベアリング
  • シールドボールベアリング
  • 片側シールドボールベアリング

といったものがあり、名前の通りボール部分を守るために、シールドしているものと、ボールが見えるように開けているものと、片面だけ塞いでいる物があります。

オープンボールベアリングはシールドがないため、より摩擦抵抗が少なく、オイルやグリスが塗布しやすいというメリットがありますが、異物が混入しやすいというデメリットがあります。

シールドボールベアリングはメリットとデメリットが逆になっています。

片側シールドボールベアリングは少し特殊で、片側からの異物の侵入を防ぐことができ、逆側はオープンになっているため、注油や清掃がしやすいというメリットがあります。

メンテナンス時にベアリングを選ぶのであれば、回転重視にしたい場合はオープンボールベアリング、寿命重視であればシールドボールベアリングを選ぶといいでしょう。

セラミックベアリングとは?

ベイトリールやスピニングリールで使われているベアリングは、ほとんどがステンレスという金属を使ったベアリングが使われています。

ですが、現在ではセラミックボールベアリングというベアリングが出てきています。

セラミックとは一般的には陶器のことを指しており、金属ではない素材で作られています。

釣り具業界では、ロッドのSICガイドもセラミック素材です。

セラミック素材の特徴としては、金属より軽く錆に強いという点と、より成型がしやすいため、精密なベアリングが作りやすいという点です。

ただ、その分値段が高く、ステンレスベアリングが1個300~500円前後ですが、セラミックベアリングは2000円を超えてしまいます。

正に最高級ベアリングと言えるでしょう。

ベアリングの性能チェック方法

ベアリングの性能チェックはとても重要です。ベアリングは精密部品ですので、新品であっても個体差で問題のあるベアリングも存在します。

そのため、新品であってもまずはご自身で性能チェックを行いましょう。

性能チェックに必要な物

ベアリングの性能チェックには「ベアリングチェッカー」というものが必要ですが、なければ綿棒でも構いません。

ベアリングチェッカーと綿棒

ただ、リールの種類によってはとても小さなベアリングを使っている場合もあるため、綿棒が入らない場合がある点と、ベアリングチェッカーの方が、きっちりとベアリングとはまるためより精度の高いチェックができます。

ベアリングチェッカーもそこまで高いものではありませんので、余裕がある方はぜひ購入してください。

ベアリングのチェック方法とは

ベアリングのチェック方法はとても簡単です。

ベアリングにベアリングチェッカーや綿棒を差し込み、手の平で転がすだけです。

ベアリングチェッカーにベアリングをセット

問題のないベアリングであれば、何も抵抗もなく回るはずですが、少しでもシャラっという抵抗や音がするようであれば、絶対に使わないようにしてください。

ほんの少しの抵抗でも、リールに組み付けて回すと明確にシャラシャラ感や違和感を感じるようになります。

リールを分解メンテナンスした際は、必ず入っているベアリングをすべてチェックし、少しでも違和感のあるベアリングは交換するようにしましょう。

ベアリングの脱脂方法

リールに付いているベアリングは必ずグリスかオイルが塗布されています。

リールメンテナンス時にはベアリングの脱脂を行い、古いオイルやグリスを除去して、新しいオイルやグリスを注油しましょう。

脱脂をするにはパーツクリーナーを使いますが、よりしっかりと脱脂をする場合はベアリングリフレッシュキットを使うことでよりしっかりと脱脂を行うことができます。

一番簡単にベアリングを脱脂する方法は、パーツクリーナーのみを使って脱脂をします。

オイルが塗布されているベアリングであればパーツクリーナーをシュッとかけるだけでOKです。

グリスを除去する場合は容器にパーツクリーナーを溜めて、ベアリングを漬けておきましょう。漬けた状態で軽く容器を振っていただくと内部のグリスが溶けだしてきます。

この方法でもオイルやグリスの除去はできますが、よりしっかりとした除去をする場合はやはりベアリングリフレッシュキットを使いましょう。

ベアリングへの注油方法

ベアリングへの注油はオイルかグリスどちらを注油するかで方法が変わってきます。

オイルであれば、お使いのベアリングのボール部に一滴オイルをさせばOKです。

ベアリングオイル注油

グリスの場合は圧入しないとベアリング内部にグリスを入れることはできません。

圧入するにはベアリングリフレッシュキットが必須になってきますので、ベイトリールやスピニングリールのメンテナンス時にはぜひ用意しておきましょう。

ベアリングリフレッシュキットを使ったグリスの圧入方法は以下のようにすることで圧入できます。

①ベアリングをセットする

ベアリングリフレッシュキットにベアリングをセット

②グリスをカップ内に入れる

ベアリングリフレッシュキットにグリス圧入

③圧入する

このようにすることで簡単にベアリング内部にグリスを圧入することができます。

ベアリングへの注油はグリス?オイル?

ベアリングへの注油はグリスがいいのか?オイルがいいのか?という点ですが、どちらにも明確にメリットとデメリットが存在します。

オイル注油のメリット、デメリット

オイル注油のメリットは何と言っても高い回転性能を維持できることです。

デメリットは、オイルが飛んでしまう点と汚れを弾く力がほとんどないという点です。

ベイトリールのスプール、サイドカップ等の高回転が必要なベアリングにはオイルがおすすめです。

また、リールの巻きをとにかく軽くしたいという人もオイルチューンは有効ですが、こまめな分解メンテナンスが必要になる点は注意が必要です。

グリス注油のメリット、デメリット

グリス注油のメリットは何と言っても耐久性が高くなり、ホコリや汚れ、水の侵入から守ってくれる点がメリットになり、その他にもこまめなメンテナンスが不要になる点も優秀です。

デメリットとしては、高回転が必要な箇所には向かないこと、冬場は特にグリスが固くなる点がデメリットです。

ベアリングに入れるグリスによってはとても巻きが重くなり、巻くだけで疲れるリールになってしまうことにもなりかねないため、ベアリングに入れるグリスは柔らかいグリスを選ぶようにしましょう。

ボディ内部にあるベアリングは基本的にグリスを入れた方がメンテナンスの頻度を落とすことができるため、長くベアリング性能を維持したい場合はグリスがおすすめです。

まとめ

リールメンテナンスにおいて、ベアリングのことを知っておくことは必須で、ベアリングをしっかりとメンテナンスできることがメンテナンスを高めると言っても過言ではありません。

ご自身のリール性能を自分好みのリールに仕上げるためにもぜひベアリングの知識を深めていきましょう。