ベイトリールはスピニングリール以上にメンテナンスが必要なリールです。
ご自身で分解メンテナンスができるかどうかは、ベイトフィッシングにおいて非常に重要な要素になります。
分解メンテナンスができない場合は、メーカーにメンテナンスをお願いすることになりますが、そうなると返ってくるまでに1か月前後、料金も1万円~2万円するのも珍しくありません。
分解メンテナンスをする上で必要な物を揃えるにもお金はかかりますが、一度揃えてしまえば一生使えるものですので、ぜひご自身でメンテナンスできるようになりましょう!
このページを見ると
- メンテナンスに必要な道具
- メンテナンス方法
がわかります。
日常での定期的なメンテナンスや、釣行後の簡単なメンテナンスは以下のページを参考にしてください。
メンテナンスに必要な道具
メンテナンスをする上で何を用意すればいいのか分からないと思いますが、ここで紹介する道具を揃えてもらえば全く問題なくメンテナンスを行うことができます。
①ピンセット
細かい部品の取り扱いでピンセットがあるかどうかで作業効率はかなり変わります。特に先端が細いピンセットはとても役に立ちますので精密機器用のピンセットのセットを用意するといいでしょう。
②トレイ
外した部品を無くさないように置いておくために使います。
③パーツクリーナー
グリスやオイルの脱脂をするために使用します。逆噴射可能でプラスチックにも優しいパーツクリーナーが一番いいですが、ホームセンターで売っている安いパーツクリーナーでも全く問題ありません。
④精密ドライバー
ドライバーはメーカーや機種によって必要な種類は変わります。なるべく種類の多いドライバーを買うといいでしょう。
⑤六角レンチ
六角レンチはハンドルを固定しているナットを外す際に使用します。10㎜のレンチがあればほとんどのハンドルナットを外すことができるため、メンテナンス時には必ず用意しましょう。
⑥クリップ
クリップは伸ばして、先端4㎜あたりを90度曲げて使用します。用途としてはハンドルキャップやサイドカップのベアリングを取るときに使用します。
⑦プラスチック製の小さい容器
パーツクリーナーで部品を洗浄するときに使います。また、ベアリングをパーツクリーナーに漬ける場合にも使います。容器口が4㎝以上で100mlほど入る容器であれば何でも構いません。
⑧オイル
オイルは主にサイドカップ、スプール、メカニカルブレーキ、ハンドルノブに付いているベアリングに注油します。
⑨ギア用グリス
ギアの歯面やボディ内部のベアリングに塗布するグリスです。グリスの粘度によって巻きの軽さや滑らかさが変化するため、メンテナンスにおいてとても重要なポイントです。
⑩ドラグ用グリス
ドラグワッシャーに塗布するグリスです。必ず「ドラグ用」と書いてあるグリスを用意しましょう。
⑪分解図、パーツ価格表
シマノのパーツ価格表はこちら
ダイワのパーツ価格表はこちら
アブガルシアのパーツ価格表はこちら
リンクからあなたのベイトリールのパーツ価格表をダウンロードしておきましょう。
⑫キムワイプ
キムワイプとは厚手のティッシュのような製品です。ティッシュでは薄手で破れやすく糸くずが付いてしまうため、キムワイプがおすすめです。
これらがあれば基本的にどんなベイトリールでも分解清掃ができますので、ぜひ揃えてみましょう。
メンテナンス方法
メーカーや機種によって多少の違いはありますが、基本的にはどのベイトリールも分解メンテナンスの流れは変わりません。
また、基本的にはクラッチ周りのパーツは分解しない方がいいです。理由としては分解後の取り付けがとてもめんどくさいという点と、分解してもあまり意味がない点です。
クラッチ周りの問題が発生していなければ分解はしない方がいいでしょう。
メンテナンスの手順は、ダウンロードしたパーツ価格表を参考にしながら以下の手順で分解をしていきましょう。注意点としてはワッシャーと呼ばれる薄い金属パーツは、価格表に乗っていない場合があるため、どこにワッシャーが入っていたかはきちんと覚えておきましょう。
①ハンドル周りの分解
六角レンチやドライバーを使って、ハンドル、スタードラグなどのハンドル周りを外していきます。ハンドルノブも外していきましょう。
②サイドカップとスプールを外す
サイドカップを外してスプールも取り外します。サイドカップはベアリングも外しておきましょう。
③ボディを開く
ボディに付いているネジをドライバーを使って外します。外したネジがどこに入っていたかは忘れないようにしましょう。
④ギア類を外す
ボディの外装が外れるとメインギアやピニオンギアが見えてきます。まっすぐ引き抜くと取れますので、手でギア類を抜いていきましょう。
ピニオンギアやメインギア周りはドライバーでネジを外すことで取り出すことができます。
ウォームシャフトに付いているギアはEリングと呼ばれる部品で止まっているため、マイナスドライバーで取り外してウォームシャフトを抜き出します。
⑤グリスやオイルの除去
まずはキムワイプを使ってグリスやオイルを拭き取ってから容器に入れて、パーツクリーナーで洗浄しましょう。洗浄後はパーツクリーナーが完全に乾燥するまで陰干ししましょう。
乾燥までの時間はパーツクリーナーが速乾性であれば1時間前後、遅乾性であれば1日程度置いておきましょう。
⑥ギアやベアリングへの注油
ギアの歯面にグリスを塗布しますが、厚く塗っても余分なグリスは外に飛び出てしまうため、綿棒などで薄く塗れば大丈夫です。
ベアリングはオイル、グリスどちらでも構いませんが、グリスを注油する場合はいくつか注意点があります。
ベアリングに関しては以下の記事を参考にしてみてください。
⑦仮組み
ギアやボディ、ハンドルを仮組みし、実際に回していただききちんと回るのか?クラッチはちゃんと切れて、ハンドルを回せばクラッチは戻るのか?を確認します。
⑧組付け
仮組みで動作を確認し、問題なければサイドカップやスプールも組付けて最終的な動作を確認します。
⑨完成
軽く回して分解メンテナンスは完了です。時間が経てばグリスが馴染み、より滑らかな回転になってきます。
まとめ
分解メンテナンスは、やってみると分かりますがそこまで難しいものではないのでぜひ分解メンテナンスをできるようになっていきましょう!
最初のメンテナンス用具を揃えるまではお金がかかりますが、一度揃えてしまえば、自分でパーツを注文し、自分好みのカスタムもできるようになるため、ぜひ覚えましょう!