ベイトリールボディ分解メンテナンス

あなたはベイトリールを選ぶときにギア比は意識していますか?

ギア比といっても色々あり、ローギアやハイギア、エクストラハイギアなどがありますが、どう選べばいいか分かりますか?

このページではギア比の違いによるメリットや選び方を紹介していきます。

それ以外のベイトリールに関しては以下の記事を参考にしてみてください!

そもそもギア比とは?

ギア比とはハンドルに付いているドライブギアと、スプールを回転させるピニオンギア回転数の比率を表しています。

例えばドライブギアが1回転すると、ピニオンギアが10回転すれば、ギア比は「1:10」となります。

各社メーカーでは以下のような表示をしています。

  • シマノ:ピニオンギアの回転比率のみ表示。 例)5.8
  • ダイワ:ピニオンギアの回転比率のみ表示。 例)5.8
  • アブガルシア:「ピニオンギア:ドライブギア」の比率で表示。 例)7.1:1



ギア比の違いで変わるのは「巻取り量」と「巻きトルク」

ギア比の違いで変わることは巻取り量と巻きトルクです

ギア比は低いほどラインの巻取り量は少なくなり、巻きトルクが高くなります。

ギア比が高くなるとラインの巻取り量が多くなり、巻きトルクが下がっていきます。

巻きトルクが高ければ、巻き抵抗の強いルアーを長時間使っても疲れにくくなります。

ラインの巻取り量も大事ですが、どんなルアーをよく使うかでギア比を変えるのも大事なポイントです!

ローギアのメリット、デメリット

ローギアはソルトで使う人はあまり多くない印象ですが、バス釣りでは非常に多くの方が使っています。

もちろんソルトでも使う場面は多くありますが、そもそもローギアにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

ローギアのメリット

ローギアのメリットは【巻きトルクが強い】という点と【巻取り量が少ない】という点です。

巻きトルクが強いということは、巻き抵抗が強いルアーを長時間使っても疲れにくいということです。

巻き物にはローギアがおすすめと言われているのはこれが理由です。

また、ローギアはラインの巻取り量が少ないため、ルアーの移動距離を短くすることができ、障害物や倒木などの点で攻めたいときに便利なメリットです。

オフショアのジギングゲームでもローギアは人気であり、ジグの動きを小さくするために使うことがあります。

ローギアのデメリット

ローギアのデメリットは【糸巻き量が少ない】点と【感度が悪くなる】という点です。

糸巻き量が少ないというデメリットは遠投した時により大きなデメリットになります。

例えばスティーズATWのローギアは「5.3」で、最大巻取り量は「56cm」です。

ですが、遠投をしてラインがすべて出ていった場合は、ハンドル1回転で「30cm」しか巻けません。

また、ローギアはラインが張りにくくなるため、感度も悪くなってしまうデメリットがあります。



ハイギアのメリット、デメリット

ハイギアは特にソルトゲームで人気のギア比となっており、使ったことがあるという人も多いギア比です。

そんなハイギアのメリット、デメリットはどういったものでしょうか?

ハイギアのメリット

ハイギアのメリットは【幅広い巻き速度に対応できる】という点です。

スローな巻きから早巻きまで幅広い巻き方ができるというのは大きなメリットです。

そのため何台もリールを買う必要がなく、バーサタイルに使えるベイトリールのハイギアを買えば、様々な釣りに対応できる点は非常に大きなメリットです。

ハイギアのデメリット

ハイギアのデメリットは特化した性能がないという点です。

巻きトルクの強さや、スローでのただ巻きはローギアの方が優れており、早巻きやルアーの回収の速さを目的としている場合はエクストラハイギアの方が楽に巻くことができます。

ただ、今回上げたデメリットに関しては、釣り人側の技術でカバーできるため、目立ったデメリットはないと思っていいでしょう。

エクストラハイギアのメリット、デメリット

エクストラハイギアはローギアやハイギアよりも後に出てきたギア比で、一番歴史の浅いギア比でもあります。

ただ、最近はエクストラハイギアが採用されているベイトリールも増えており、特にサーフゲームではエクストラハイギアが選ばれることが多いです。

エクストラハイギアのメリット

エクストラハイギアのメリットは【ラインの巻取り量が多い】、【感度が高い】という点があります。

リールの種類にもよりますが、最大巻取り量で一巻きで80㎝後半から100㎝を超えるものまであるため、非常に巻取りが早いです。

特に遠投をした場合は、スプールに巻かれているラインが減っているため、一巻きあたりの巻取り量はかなり減る場合があります。

そういった場合でもエクストラハイギアであれば、他のギア比のリールよりも楽に巻きとることができます。

また、巻取り量が多い事の恩恵として、ラインが張るため、ルアーの動きや潮の流れなどが分かりやすくなります。

エクストラハイギアのデメリット

エクストラハイギアのデメリットは【ラインを巻きすぎる】、【ギアノイズがでやすい】という点があります。

【ラインを巻きすぎる】というのは、エクストラハイギアはローギアの1.5倍以上巻取り量が多いため、スロー巻きをしていると思っても、実はかなり早巻きになっているということが多いです。

スローな釣りで魚が釣れないという人は、実はエクストラハイギアのリールを使っていて、巻きすぎているということも良くあります。

【ギアノイズがでやすい】というのは、ハンドル1回転あたりのギアやスプールがより多く動くため、ノイズを拾いやすいというのが原因です。



絶対に失敗しないギア比の選び方

ギア比の選び方の基本は、ギア比の最大のメリットを活かせる釣りに使うということです。

まずローギアは近距離での釣りや巻き物をメインに長時間釣りする場合に選ぶといいでしょう。

特に巻き物をメインに使う場合は、エクストラハイギアのリールを使うと巻き抵抗が強くて疲れてしまうのでローギアがおすすめです。

次にどんな釣りにも使えるギア比のベイトリールが欲しいという人はハイギアがおすすめです。

ハイギアはローギアとエクストラハイギアの中間にあるため、どんな釣り方にも対応できる幅広さがあります。

最後にエクストラハイギアは遠投する釣りに使うことをおすすめします。

特にソルトゲームでベイトリールを使う時は、エクストラハイギア以外のギア比のリールにしてしまうと、かなり大変です。

ギア比の変更方法を紹介

ギア比はドライブギアとピニオンギアを変更することで、ベイトリールを買い替えなくてもギア比を変更することができます。

シマノとアブガルシアはギアを購入して自分で分解してギアを入れ替えることになり、ダイワの場合はメーカーに依頼することになります。

ギア比の変更方法を詳しく紹介していきます!

注意!

ギア比の変更は改造にあたります。メーカー保証対象外になる可能性が高いため、ギア比を変更する場合は自己責任でお願いします

シマノ、アブガルシアのベイトリールのギア比の変更方法

シマノとアブガルシアのベイトリールのギア比の変更方法は、ギアを購入し、分解して、ギアを変更するという流れになります。

慣れてしまえば簡単にギア比を変更することができるので、興味がある方は試してみましょう。

ギアの購入方法

ドライブギアとピニオンギアを購入するには、店舗で注文する方法になります。

必要な情報は、パーツリストにある部品名と部品番号と連絡先とお金です。

パーツリストがなくても店舗に置いてありますし、ない場合は以下のリンクからスマホで表示しながら店員に伝えればOKです!

シマノパーツリストはコチラ

アブガルシアパーツリストはコチラ

注文してから手元に届くまでは1~2ヶ月ほどかかるので気長に待ちましょう!

ベイトリールの分解方法

ギアを手に入れたら次は分解する必要があります。

詳しくは以下のオーバーホールのページを参考にして分解してみてください。

上記のページを参考にして、ドライブギアとピニオンギアを交換しましょう!

交換が完了したら、元に戻せばギア比の変更の完了です!

ダイワのベイトリールのギア比の変更方法

ダイワはギアの注文ができないため、自分でギア比を変えることができません。

その代わり、SLP WORKSが提供しているギヤレシオチューンに対応しているベイトリールであれば、ギア比の変更は可能です。

SLP WORKS ギアレシオチューンに関してはコチラ

変更方法は、店舗にベイトリールを持ち込み、申込書に「ギヤ比交換カスタムサービス希望 ギヤ比○○」と書いてメーカーに送るだけです。

変更完了して手元に戻ってくるまで1~2ヶ月はかかるので、気長に待つ必要がありますが、メーカーの手によってギア比が変更されるため、安心感がありますね!

ちなみに、ページに乗っていないベイトリールは交換対象外なので、その場合はあきらめてベイトリール本体を購入するしかありません・・・。

ギア比のまとめ

いかがでしょうか。ローギアとハイギア、エクストラハイギアのメリットとデメリットをしっかりと知って選べば、非常に快適に釣りができるということが分かったと思います。

ぜひこの機会に、ベイトリール選びの際にギア比のことを考えてみましょう!

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