シマノのシーバスロッドの中でも最長である12フィート(約365cm)のロッドが、ルナミスシリーズから発売されました。
スペックだけ見ると、かなり長いMクラスロッドだな……という印象しかありませんでしたが、実際に使ってみると本当にMクラスのロッドか!?というくらいヤバイロッドでした。
また、このロッドはかなりのスペック詐欺なロッドであり、スペックを見て買うと後悔するかもしれないロッドだということもわかりました。
今回はこの12フィートのルナミスB120M-3について解説していきます。
ルナミスB120M-3の特徴
ルナミスB120M-3の詳細なスペックに関しては以下のリンクをクリックして確認してみてください。
SHIMANO公式ページはコチラ
ルナミスB120M-3の特徴は何といっても12ftというおそらくシマノのシーバスロッドの中で一番長いロッドだということです。
12ftというとベナンベナンで弱いんじゃないか?と思うかもしれませんが、めちゃめちゃ強いロッドです。
詳しく言うとティップ(先端)、ベリー(真ん中)、バット(グリップ)の3本継になっていますが、かなり特徴を持っています。
まずティップは柔らかく軽いルアーをキャストしやすくなっており、バイトがあった時もしっかりと曲がりこんでくれます。
次にベリー部分はティップ側は少し柔らかく、バット側はかなり固いです。
最後にバット部分はめちゃくちゃ固く、グッと力を入れて曲げてもびくともしないほどです。
40~50cm程度のシーバスであれば、ベリーのティップに近いところまでは曲がりますが、それ以外はびくともしないぐらいしっかりしています。
シマノはルナミスB120M-3を使うシチュエーションとして以下のように言っています。
シマノのロッドテクノロジーによって軽量化を実現し、ロングロッドの課題である重さやダルさを抑制。10~15cmクラスのミノー、15~35gクラスのバイブレーションやブレードベイト、45gまでのメタルジグなどに適応。ヒラスズキやランカーシーバス、ヒラメ、青物や回遊魚の攻略に活躍。足場の高い磯場や防波堤、圧倒的な飛距離が求められる大規模河川やサーフなどのシーンに適しています。
引用元: SHIMANO
使ってみるとその通りで、特に磯ヒラスズキにはかなりおすすめなベイトロッドだと感じました。
次にこのルナミスB120M-3のメリットとデメリットを紹介していきます。
ルナミスB120M-3のメリットは?
ルナミスB120M-3を使ってみて感じたメリットは【波や流れにラインが取られない】【安全性が高くなる】【Mクラスとは思えないパワーの強さ】があります。
それぞれしっかりと解説していきます。
波や流れにラインが取られない
これはサーフや河川のドリフトなどで感じるメリットで、12ftという長さを使うことで、ラインが水の中に入りにくくなります。
例えばサーフではラインが波に揉まれてしまうと、ルアーの挙動やバイトの間隔などが全く分からなくなってしまいます。
河川であれば、奥の流れにルアーを流したいのに手前の流れにラインが乗って流されてしまうということもありますよね。
これらを12ftの長さを活かしてロッドを立てることで、ラインが水の中に沈む位置を遠くにすることができ、余計な力がラインにかからないので感度も上がります。
これはかなり大きなメリットで、特に遠浅サーフや複雑な流れの河川では大きな武器になります。
安全性が高くなる
ルナミスB120M-3は12ftととても長いので、一歩下がった場所で釣りをすることができます。
特に磯場やサーフなどで一歩後ろに行けるというのは安全性がかなり上がり、結果として心に余裕も生まれて釣果に繋がります。
いつもの場所でこのルナミスB120M-3を使えば、一歩下がった状態で安心して釣りができるというのも大きなメリットです。
Mクラスとは思えないパワーの強さ
磯ヒラスズキを想定しているためか、ルナミスB120M-3はMクラスとは思えないほどのパワーを持っています。
サーフで10kgを超えるアカエイをかけたことがありますが、引き波に乗ったアカエイに負けないパワーを持っています。
かなりのパワーを持ったロッドですので、パワーのある長尺ロッドが欲しい人におすすめです。
ルナミスB120M-3のデメリットは?
ルナミスB120M-3を使ってみて感じたデメリットは【思ったより飛距離は出ない】【持ち重りがする】【使い道が限定される】があります。
それぞれしっかりと解説していきます。
思ったより飛距離は出ない
12ftのロッドは9ft台のロッドに比べると、どうしてもスイングスピードが出なくなるため飛距離は出にくくなります。
私は身長176cmでそれなりに力もあり、スイングスピードもありますが、どうしても12ftの長さのロッドを同じように振ることは難しくなります。
キャストするルアーやタックルバランスにもよりますが、飛距離は10ft台のロッドのほうが出ると考えてもいいかなと思います。
特に女性やあまり力のない男性にはおすすめはできないロッドです。
持ち重りがする
ルナミスB120M-3は12ftという長尺ロッドなのに、リアグリップにカウンターウェイトが入っていないため、かなり持ち重りがあります。
ロッドの重心位置は下の画像の位置であり、9ft台のロッドに比べるとかなり重心がグリップから遠いので、力のない方は持っているのも疲れるかもしれません。
重たいベイトリールを合わせることで重心をグリップに近づけることはできるので、持ち重りを軽減したい場合は重たいベイトリールを合わせるといいでしょう。
使い道が限定される
12ftのロッドを実際に使ってみると、あまり使い道がないと感じました。
なぜなら12ftの長さを活かせる場面があまりなく、他のロッドで全く問題ないなというのが正直な感想です。
磯ヒラスズキであれば安全面から重要になりますが、サーフや大規模河川、高い堤防ではデメリットの方が多く、いらないと感じます。
色々な場所で使いやすいロッドを探しているのであればルナミスB120M-3はやめたほうがいいでしょう。
ルナミスに合うベイトリールは?
ルナミスはキャストウェイトが7~35ということですが、正直なところ7gをキャストするのはあまり向いていません。
ただ、キャスト自体はできるので、20g以下のルアーをメインで使う場合は34mmスプールのベイトリールがおすすめです。
ですが、ベイトリールの重さや、ルアーを遠投するためには36mmスプール以上のベイトリールがおすすめです。
34~36mmスプールでルナミスB120M-3と相性のいいベイトリールを紹介していきます。
シマノ 21スコーピオンDC
34mmスプールのDCベイトリールであるスコーピオンDCです。
このベイトリールはマグナムライトスプールが搭載され、7gぐらいの軽さのルアーもキャストできるようになっています。
そして21スコーピオンDCはWモードという向かい風でもキャストできるモードがあるので、荒磯でも使いやすくなっています。
磯ヒラやサーフなど20g前後のルアーまでを使う方におすすめです。
シマノ 22バンタム
22バンタムは35mmスプールでブレーキシューが6個あるベイトリールです。
スプールがナロー化しているので飛距離がでやすく、30g前後のルアーを遠投したい場合におすすめです。
剛性も高いので、荒磯やサーフなどの使用におすすめです。
ただし、サイドカップを取り外す時に落としやすいので、ブレーキシューをいじるときは注意が必要です。
シマノ 21カルカッタコンクエスト200
丸形ベイトリールの最高峰ともいえるカルカッタコンクエストはルナミスB120M-3との相性がいいです。
36mmスプールで糸巻き量も多く、ベイトリールの重量もあるため、重心位置がグリップに近くなります。
21カルカッタコンクエストは手が小さい人でも持ちやすくなっており、意外と使いやすく性能もすばらしいです。
見た目の好き嫌いはあると思うので、見た目が問題ない人はおすすめです。
シマノ 21アンタレスDC
4×8DCブレーキ搭載のベイトリールです。
どんな場面でも使ええ、遠投性能もすばらしく、ノントラブルなベイトリールです。
スプールを取り外すにはDCユニットを取り外す必要があるのですが、ドライバーが必要になる点はデメリットです。
値段も高いですが、ベイトフィネス以外の釣り方はすべてできるので、ぜひ持っておきたいベイトリールです。
まとめ
ルナミスB120M-3は長尺ロッドで、非常に強いパワーを持ったベイトロッドです。
飛距離に関しては、ルナミスB120M-3をしっかりと振り切ることは難しく、実際は10ftのベイトロッドとあまり変わりません。
ルナミスB120M-3は必須な場面は少なく、地磯で使ったり、波や流れにラインを持っていかれないようにする以外にあまり使い道がないと感じました。
ですが、12ftのベイトロッドは使ってみると思いのほか楽しいので、興味のある人はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。