ガチ勢しか知らないベイトタックルのメリット・デメリット

日本ではベイトタックルというとブラックバスを釣るためのタックルとして広く知られています。

しかし、最近ではチニングやロックフィッシュ、シーバスといったソルトシーンでもベイトタックルを使う人が多くなってきましたが、きちんとベイトタックルのことを理解して使っている人はあまり多くありません。

特に海での釣りをメインにしていた人は特に馴染みのないタックルです。ベイトタックルを使ったことがない初心者の方は特にこう思っている人がとても多いです。

  • ベイトタックルを使うメリットってあるの?
  • ベイトタックルのデメリットは?
  • そもそもベイトタックルを使う意味ってあるの?

これらの疑問の答えはベイトタックルを実際に買って使い込まないと見えてこないものがほとんどです。

ですが、しっかりとベイトタックルのことを理解して使えば、様々な魚を手にすることができます。

長い間ベイトタックルを研究してきた私がガチ勢だけが知っているベイトタックルのメリットデメリットを紹介します。

この記事を読むとこういった内容がわかります。

  • ベイトタックルのメリット(強み)とデメリット(弱み)
  • ベイトタックルをなぜ使うのか?

ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

ベイトタックルのメリットは?

ベイトタックルは実用性がないと言われることもよくありますが、ちゃんと長い期間使ったことがある人はベイトタックルにしかないメリットというものがわかってきます。

ベイトタックルのメリットを最大限活かすことでベイトタックルにしかできないことや、ベイトタックルでしか釣れない魚がを釣れたりといった強みを知っていきましょう。

一瞬でラインをフリーにできる

スピニングリールの場合、ラインをフリーにするにはベールを返すという手順が必要になります。ベールを返すには両手を使う必要があるのですが、ベイトリールはクラッチを切るだけで簡単にラインをフリーにできます。

釣りをする点では、キャストするときにルアーまでのラインのたらしの長さを調整するときもmm単位で簡単に調整できますし、フリーフォールもストレスなく簡単にできます。

また、フリーフォールとテンションフォールでフォールの動きが変わるルアーも最近は多く発売されているため、ラインを簡単にフリーにでき、フォールのアタリも取りやすいベイトタックルは、実はショアジギングに向いているタックルでもあります。

着底が簡単にわかる

ベイトリールはラインを出すためにスプール自体が回転するため、ラインが出ているかが簡単にわかります。特にナイトゲームでは手の感触で簡単に着底がわかる点は大きなメリットです。

風が強い時は、着底すると明らかにラインの出方が緩くなるので初心者でも簡単にわかる点はベイトタックルならではの強みです。

巻きトルクが強い

巻きトルクが強いというのは簡単に言うと、引き抵抗が強いルアーや魚を力をあまり入れずに巻けるということです。

バイブレーションやクランクベイトを投げ続けていると疲れる経験は誰でもあると思いますが、ベイトタックルでは軽い力で巻くことができるので疲れません

また、巻きトルクが強いメリットはそれだけではなく、河川の流れの変化やルアーの動きも分かりやすいのも素晴らしい強みです。

太いラインを使っても飛距離が落ちにくい

ベイトタックルと言えば太いラインを巻いても飛距離が落ちにくい点がメリットとしてよく挙げられます。

軽いルアーを太いラインで投げることができるため、ロックフィッシュやチニングなどで特に好まれるベイトタックルの強みです。

これは太いラインを巻いたスピニングタックルでは届かない場所まで届けることができるベイトタックルならではの強みと言えます。

感度がいい

魚からのバイトであったり着底だったりという手元に伝わる感度がスピニングタックルよりも強いのもメリットです。

感度の強さは、ラインから伝わる振動によって変わってくるのですが、ベイトタックルはロッドのティップガイドから直にリールに振動が伝わり、リール全体を包むように持つため、手に感じる振動は大きくなります。

どのくらいの感度があるかというと、ワームのテールが微妙に動いているのが手元に伝わり、魚がルアーを弾いたか魚の体に当たっただけなのかが70m以上先でも分かるほどです。

これはガイドすべてとリールを通して感じるスピニングタックルよりも物理的に感度は高くなるため、小さいアタリもベイトタックルならば確実に感じるようになります。

疲れにくい

ベイトタックルは慣れてくると明らかにスピニングタックルより疲れにくくなります。理由としては以下のことが挙げられます。

  • クラッチを切るだけでラインをフリーにできるため、体をあまり動かさなくてもキャストができる
  • 巻きトルクが強いため、巻くことに力を使わない
  • 魚がかかってもパワーファイトで短時間勝負で釣り上げることができる

といった点があります。

使い始めは慣れないことが多いベイトタックルですが、慣れてくると素晴らしいメリットが見えてきますので、興味がある人はぜひチャレンジしてほしいと思います。

ただ巻き(等速巻き)がしやすい

ベイトリールはほとんどダブルハンドルが標準で装備されています。

シングルハンドルが多いスピニングリールの場合は、下に向かってハンドルを下げる時と、上に向かってハンドルを上げる時で力加減を変えないと等速巻きはできないため、ただ巻きがちゃんとできている人は多くありません。

その点、ダブルハンドルの場合は片方のハンドルがカウンターウエイトになるおかげで、同じ力で巻いてもただ巻きがきちんとできます。

スピニングリールでもダブルハンドルにすれば同じですが、ハンドルの料金がかかるため、コスト的にもベイトリールの方がメリットがあります。

ベイトタックルのデメリットは?

ベイトタックルはメリットが多い一方、無視できないデメリットも存在します。

バックラッシュ

ベイトタックルと言えばバックラッシュと言われるほど有名なデメリットです。

確かにベイトリールはバックラッシュをしてしまうのは仕方がなく、どんなにうまい人でもある程度バックラッシュをしてしまいます。

ですが、一方でバックラッシュは釣り人の技術で防ぐことができるデメリットであり、バックラッシュは直すことができる軽いライントラブルでもあります。

スピニングタックルでバックラッシュをした人は分かると思いますが、スピニングタックルのバックラッシュは直すことが非常に困難なライントラブルです。

その点で言えば、技量や道具の進化でカバーできるバックラッシュはデメリットとしてはあまり大きくありません。

ドラグ性能が低い

ベイトリールはスピニングリールよりドラグ性能が低いです。

ドラグ性能とは主に【強さ】と【滑らかさ】に分類され、どちらもスピニングリールには勝てません。

例えば最大ドラグ力が5kgのベイトリールがあり、スプールにラインをパンパンに巻いているとします。

この状態でドラグをガチガチに締めたとするとドラグ力はどのくらいかというと2~3kgしか出ません。ちょっと力がある人であれば手にラインを巻き付けて引っ張ればラインが簡単に出るぐらいの力しかありません。

この最大ドラグ力というのはラインがほぼ巻かれていない時の計測値なので、実釣では3kg前後が現実的です。

滑らかさに関しては、ほとんどのベイトリールはカーボンワッシャーが1枚しか入っていません。

フェルトワッシャーが2~3枚入っているスピニングリールと比べれば摩擦も強く滑らかにラインが出ることはないので、ドラグの滑らかさを活かした釣りをする人はベイトタックルは使わない方がいいです。

細いラインが苦手

ベイトタックルが細いラインが苦手というデメリットがあり、理由は主に2つです。

1つ目は上記に書いたドラグ性能が低いということ。ドラグ性能が低いので細いラインだとラインブレイクしてしまう可能性が高いからです。

2つ目はラインが食い込みやすいという点です。ベイトリールはスピニングリールに比べてスプールが小さいため、ラインの上に何重ものラインが重なります。

更にラインが縦に巻かれるため、細いラインの場合はラインの食い込みが発生しやすいです。食い込みが発生すると、バックラッシュや高切れの原因になり、特に魚を釣った直後のキャストなどで発生しやすいというデメリットがあります。

細いラインとベイトタックルは本質的に反対の性質なので、できないわけではないですが、細いラインを使いたいのであればベイトフィネスリールかスピニングリールを使うといいでしょう。

軽いルアーは苦手

ベイトフィネスリールは別ですが、基本的にベイトリールは軽いルアーのキャストが苦手です。

スプール重量やブレーキシステムによって変わってきますが、10gを下回ると飛距離はスピニングには勝てなくなってきます。

10g以上のある程度重たいルアーであれば飛距離もスピニングには負けないようになってきますので、軽いルアーを投げないというのであれば関係ないデメリットになります。

手が濡れる

ベイトタックルはリールが上向きについているため、ラインに付いた水分がハンドルを持っている手に落ちてきます。

そのため、ハンドルを持つ手が滑ったりすることもあるため、ベイトタックルを使う場合はグローブを着けることをおすすめします。

冬場にリールが冷たくなる

ベイトタックルはリールを包み込むように持つため、冬場は特に辛い時期になります。

更にサミングをしなければいけないため、指がすべて隠れたグローブを装備することはできず、ツーフィンガーもしくはスリーフィンガーオープングローブを装備しなくては釣りにならないぐらいリールが冷えます。

冬場や寒い時期にベイトタックルを使う場合は、暖かいグローブを装備していきましょう。

まとめ

ベイトタックルは、使えば使うほど素晴らしいと感じるタックルで、その魅力に気づいてしまうとスピニングタックルに戻れなくなる魅力が詰まっています。

スピニングタックルより優れたメリットもたくさんあるので、ぜひこの機会にベイトフィッシングを始めてみてはいかがでしょうか。