ベイトリールのドラグ調整、使い方、強化方法、や滑るときの対処まとめ

ドラグと言えば、魚とのやりとりに欠かせない重要な機能ですが、実は意外と知らないことが多いものでもあります。

あなたはベイトリールのドラグを使いこなしていますか?ベイトリールの仕組みと調整方法を知れば、正しいドラグの調整方法はもちろん、ドラグがおかしくなっても原因が分かるようになります。

また、メーカーのスペックにある「最大ドラグ力」の罠についても分かるように解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

このページを読むことで、以下のことが分かるようになっています。

ベイトリールのドラグとは

ベイトリールのドラグとは?

ベイトリールのドラグはクラッチがONの状態でスプールが逆回転し、テンションを保ったままラインが引き出されていくシステムのことです。

ドラグがあることで、魚の急な引きによる口切れやラインが切れることを防ぎます。

ベイトリールのドラグはスピニングリールと違い、ドラグの滑り出しや追従性といったドラグ性能はあまり高くありません。

ベイトリールはドラグを使った釣りが得意ではないということを覚えておきましょう。

ベイトリールのドラグの仕組みとは?

ベイトリールのドラグの仕組みとは?

ベイトリールのドラグはハンドルの横についているスタードラグを回すと、ドラグの強さを調整することができるようになっています。

ではなぜ、スタードラグを回すと、ドラグの強さが変わるのでしょうか?

実は、ラインが出てスプールが逆回転している時は、リール内部のピニオンギアとドライブギアも回っています。
スプールが回ると、ピニオンギアとドライブギアも回ります

スタードラグを回してドラグを強くすると、ドライブギアにテンションがかかってスプールが逆回転しにくくなります。
ベイトリールのスタードラグを回すと、ドライブギアにテンションがかかり、逆回転しにくくなる

これがドラグの仕組みです。

ちなみに右ハンドルの場合はスタードラグを時計回りに回すとドラグが強くなり、左ハンドルの場合はスタードラグを反時計回りに回すと強くなります。

ハンドルの向きによってスタードラグの回転方向は変わるので注意しましょう。

ベイトリールの「最大」ドラグ力とは?

ベイトリールの最大ドラグとはどういったものでしょうか?

ベイトリールのメーカーのスペックを見ると「最大ドラグ力」と書いてありますが、「最大」とはどういうことでしょうか?

実はベイトリールのドラグ力はスプールに巻かれているラインによってドラグ力が変化します。

この最大ドラグ力はスプールにほとんどラインが巻かれていないときのドラグ力です。

実際に円月BBの101HGを使って2Lペットボトル2本を上げることができるかを試してみました。
円月BBの公式ページはこちら

円月BBの101HGの最大ドラグ力は5kgなので、2Lのペットボトル2本は問題なく上げられるはずです。

下の画像のように、スプールにラインがほとんど巻かれていない場合は2Lペットボトル2本は持ち上がりましたが、ラインがフルで巻かれている時は上がりませんでした。
スプールに巻かれているラインの量によってドラグ力は変化する

つまり、スプールに巻かれているラインが少ないほどドラグ力が強く、ラインが巻かれるほどドラグ力が弱くなるということです。

そのため、遠投などをしてラインがあまりスプールに残っていないときは最大ドラグに近いドラグ力がありますが、足元などでスプールにラインがフルに巻かれている時は最大ドラグ力よりも弱いドラグ力になっていることを覚えておきましょう!

ベイトリールのドラグが弱い!強化する方法は?

ベイトリールのドラグが弱い!ドラグ強化はできる?

日本で売られているベイトリールの最大ドラグ力は平均5kgほどで、スプールにラインがフルに巻かれているときは、ガチガチに強くしても手でラインを引っ張れば簡単にラインが出ていく程度の強さです。

サーフや堤防などのオープンフィールドでは問題ありませんが、磯場などではもっとドラグを強化したい!と思うこともあるでしょう。

その場合は、ドラグワッシャーをより摩擦が強いものと交換することでドラグを強化することができます。

具体的には以下のパーツを純正のドラグワッシャーと交換するだけです。

お使いのベイトリールに対応しているものがあれば、パーツ交換は意外と簡単にできるので、ドラグを強化したいという方は試してみてください。

ベイトリールでドラグ音がならない?それ正常です。

ベイトリールはドラグ音がならないものがあります

ドラグ音とは、ラインが引き出されたときに「ジーー」という音が出るシステムのことです。

ドラグ音がなる仕組みとしては、ドライブギアにドラグクリッカーと呼ばれる部品が付いており、部品同士が当たってドラグ音がなります。

スピニングリールでは当たり前に付いているドラグ音ですが、ベイトリールではドラグ音が付いていないものが多くあります。

シマノであれば「エキサイティングドラグサウンド」、ダイワは「ドラグクリック音」、アブガルシアでは「ドラグクリッカー」と書いてあるものがドラグ音がなるベイトリールとなっています。

上記の説明がないベイトリールの場合、ドラグ音がならないのは故障ではありませんので覚えておきましょう。

ドラグ音がないベイトリールにドラグ音は追加できる?

ドラグ音がないベイトリールにドラグ音を追加することは基本的にはできません。

パーツ流用や部品を新たに作ってドラグ音を追加することができる場合もありますが、改造に当たりますのでメーカーの補償対象外になります。

どうしてもやりたい方は「ベイトリール名」+「ドラグ音追加」などで検索すれば出てくることがありますが、やるのであれば自己責任の上やるようにしましょう。

ベイトリールのドラグ調整方法は?

ベイトリールのドラグの庁瀬はどうやるの?

ベイトリールのドラグの調整方法は、メーカーによると以下のように調整すると説明書に書いてあります。

■ドラグの調整方法
ドラグとは、その強弱を調整することにより、急激な魚の引きに対し、スプールが逆転して糸切れ(ラインブレイク)を防ぐ機構です。又、その逆転時に発生する抵抗値をドラグ力と言います。
1.実際に使用される竿にリールをセットし糸をガイドに通してください。
2.クラッチを“ON”の状態にして、想定されるファイティング時のロッドの角度を保って、図のように糸を引き出しながらスタードラグの締め付けを調節してください。
その際、出来るだけ実際の状況に近づける為、対象とする魚の泳ぐスピードを想定して糸を引き出してください。
ドラグ調整方法

引用元: SHIMANO 22エクスセンスDC 取扱説明書

上記のように、決められた強さにするというわけではなく、狙う魚種によって変えると書かれています。

ですが、ドラグが弱いとフッキングをしたときにスプールが回転してしまってフッキングが決まらないことが良く起きてしまいます。

では実際にドラグの強さはどうすればいいのでしょうか?

ベイトリールのドラグの強さはフルドラグから少し弱いところが基本

ベイトリールのドラグ設定の基本はフルドラグから1/4回転くらい弱くしたところがおすすめです。

その理由としてはフルドラグにすると、ドラグがほとんど滑らなくなるので不意な大物が来た時にラインブレイクをしてしまいます。

そのため、フルドラグから少し弱めたところに設定すると、しっかりとフッキングができて、大物がかかってもしっかりとドラグが効きます。

どの程度の強さにするか迷った時は、一番強い状態から少しだけ弱くしたところを基準に好みに合わせてみるといいでしょう。

ベイトリールのドラグが滑る!原因は?

ベイトリールのドラグが滑る?原因は?

ベイトリールのドラグをガチガチに締めているはずなのに、ラインを引っ張ると簡単にラインが出てくることがあります。

その場合は、ドラグが滑ってしまっている可能性が高いですが、原因はなんでしょうか?

ドラグが滑っていると感じる原因は主に3つあります。

  • ラインが滑っている
  • ドラグワッシャーにオイルが付いてしまっている
  • ドラグワッシャーの寿命

この3つの原因について解説していきます。

ラインが滑っている

実はドラグはしっかり効いていて、ラインが滑っているだけという場合もあります。

見た目はラインが出ていくので、スプールが回ってラインが出ているのでは?と勘違いしやすいものでもあります。

ラインが滑っている場合は、実際にはスプールは回っていないので、サイドカップを開けてスプールを手で押さえながらラインを引っ張ってみましょう。

その状態でもラインが出るのであれば、ドラグが滑っているのではなく、ラインが滑っている状態です。

ラインが滑っている場合は、スプールに巻かれているラインを引き出して、テンションをかけて巻くだけで解決します。

釣り場でドラグが効かなくなった場合は、まずラインが滑っていないか確認するといいでしょう。

ドラグワッシャーにオイルが付いてしまっている

黒いリングがドラグワッシャーです
ドラグワッシャーとは、上の画像のようにリール内部にある黒いカーボン製のパーツのことです。

ドラグワッシャーと金属パーツが摩擦によって抵抗ができるですが、ドラグワッシャーにオイルなどが付いてしまうと、ドラグが滑ってしまう原因になります。

ドラグワッシャーにオイルが付いてしまった場合は、オーバーホール(分解清掃)が必要になるので、メーカーに依頼するか、自分でオーバーホールする必要があります。

もしご自身でオーバーホールをしたいのであれば、以下の記事を参考にしてみてください。

ドラグワッシャーの寿命

ドラグワッシャーは消耗品なので、使い続けるとドラグが滑ってきてしまいます。

その場合は、メーカーにオーバーホールを依頼するか、部品取り寄せをして自分で交換するかが必要になります。

どちらも大型の釣具屋にリールを持って行けば対応してもらえるので、長年使っていてドラグが効かなくなったなと感じた時はドラグワッシャーを交換してみるといいでしょう。

ベイトリールのドラグを調整したらスプールが回らない?

ベイトリールのスタードラグを回して、ハンドルを巻いてみたらスプールが回らなくなったということがあります。

この原因は「ドラグ設定が弱すぎる」か「クラッチが中途半端に切れている」のどちらかが原因です。

右ハンドルのベイトリールであれば、スタードラグを時計回りに、左ハンドルであれば反時計回りにスタードラグを3~4周ほど回してみてください。

その後、クラッチを切ってハンドルを回してクラッチを戻すということを何度か試してみてください。

ベイトリールが壊れていなければ、この手順で問題なくスプールが回るようになるはずです。

ベイトリールにドラググリスは塗る?塗らない?

ベイトリールにドラググリスは塗る?塗らない?

ベイトリールにドラググリスを塗ることはおすすめしません。

メーカー純正のグリスを見ても、シマノのみDG-04(ACE-02)がベイトリールのドラグワッシャーにも使えると説明しています。

他のメーカーではスピニングリール専用のドラググリスしか販売されていません。

ベイトリールにドラググリスを塗ると、ドラグの滑り出しは良くなり、ドラグワッシャーの寿命も延びます。

ですが、ドラグ力は弱くなり、場合によってはドラグが滑ってしまい、まったくラインが巻けなくなってしまう場合もあります。

元々ベイトリールはドラグを活かした釣りが得意ではないので、ドラググリスは塗らないか、塗ったとしてもごく少量だけを塗るようにしましょう。

ベイトリールを保管するときはドラグは緩める

ベイトリールを保管するときはドラグを緩めるほうがいい?

釣りが終わって、リールの洗浄後はドラグを緩めて保管するようにしましょう。

ドラグをガチガチに強くしたままにすると、スタードラグ内にある、ドラグワッシャーやバネ、金属製のワッシャーなどが潰れてしまい、ドラグが効かなくなってしまうからです。

ベイトリールを保管するときは、必ずドラグを緩めた状態で保管しましょう。