2021年3月に発売されたスティーズA TW HLCですが、今までのHLCシリーズとは明確に違い、マグフォーズZ ブーストという最新のブレーキシステムが採用されています。
このマグフォースZ ブーストが採用されたスティーズは一体どういう使用感なのか?
スティーズA TW HLCを早速購入し色々なルアーをキャストし、使用感を確かめてみました。
私は今まで、20タトゥーラSVTWやジリオンシリーズ、17スティーズA TWなど、様々なダイワのベイトリールを使ってきたため、他のベイトリールとの比較もしていきたいと思います。
21スティーズA TW HLCの基本的な情報に関しては以下の記事を参考にしてみてください。
21スティーズA TW HLCインプレ
まず、21スティーズA TW HLCは36㎜スプールが搭載されたベイトリールであり、フルキャストをして遠投するために作られたベイトリールです。
バス釣りで言えば、琵琶湖などのヘビキャロやTNトリゴンなどの遠投を目的としている場合に向いているベイトリールです。
ソルトシーンで言えばショアジギングやサーフゲーム、12㎝以上のルアーをメインに使用するシーバスなどに向いています。
私は主にソルトゲームをメインとしてベイトタックルを使っているため、ソルトタックルで実際に様々なルアーをキャストしてみました。
使用したタックルは以下の通りです。
- ロッド:DAIWA ラテオR 93MB
- リール:21スティーズA TW HLC
- ライン:PE2号170m
- リーダー:ナイロン25lb3m
軽量ルアーのキャスト性能は?
21スティーズA TW HLCでも軽量のルアーはキャストできるのか?ということで以下のルアーをキャストしてみました。
- 10g以下のミノー
- 10gのジョイントルアー
- 15gのバイブレーション
- 15gのメタルジグ
キャストしてみて感じたこととしては
- 重心移動のミノーなら10g前後はキャストできるが快適ではない
- 軽量のジョイントルアーは無理
- 15g(1/2oz)前後のルアーは問題なくキャストできる
- 姿勢が崩れやすいルアーは向いていない
ということがわかりました。
PEを使用しての感想ですので、ナイロンやフロロを使った場合は15g前後もあまり快適にキャストはできない可能性が高いです。
正直な話、15g以下のルアーに関しては20タトゥーラSV TWや17スティーズA TWの方が確実にキャストがしやすいです。
重たいルアーのキャスト性能は?
ある程度重たいルアーであればマグフォースZブーストの性能をしっかりと使えるはず!ということで以下のルアーをフルキャストしてみました。
- 20~40gのメタルジグ
- 30g前後のシンペン
- 30g前後のヘビーミノー
- ジョインテッドクロー178
- 27gのバイブレーション
- 20g前後のワーム
- 14㎝前後のミノー
これらのルアーを投げてみた感想としては「ダイワのベイトリールの中で1番キャストしやすい!」というものでした。
特にキャスト直後の安定感は非常に高く、キャスト切れやバックラッシュの心配は全くありません。
ただ、ビッグベイトであるジョインテッドクロー178に関してはキャストはやりにくかったです。わかってはいましたがビッグベイトを使うのであれば、マグフォースのブレーキが使われているベイトリールの方がいいでしょう。
今までのHLCスプールと比べても、今回の21スティーズA TW HLCのスプールは、25㎜幅となっており他のスプールと比べても幅は狭いため、ラインの抜けは非常に良いです。
そして最後の伸びもあるため、重たいルアーの遠投に関しては飛距離、安定感ともにダイワのベイトリールの中で一番です。
キャスト全体の使用感
HLCブーストは大きく2段階にブレーキが分かれます。
1段階目はインダクトローターが最大まで突き出た状態で、2段階目は硬いスプリングによって飛び出たインダクトローターが戻され、弱いブレーキ状態になります。
このブレーキによってキャスト直後の安定感は非常にありますが、2段階目になった瞬間にラインが浮きます。
そのため、キャスト直後よりもキャストの中間点あたりが一番バックラッシュがしやすいポイントになると感じました。
また、キャスト終わりにカチッという感触が手元に伝わりますが、これはインダクトローターが完全に引っ込んだ状態に起きる音のようなので初期不良ではないようです。
始めはこのカチッという感覚が気になりましたが、ナイトゲームであれば、フルキャストして着水近くになると感触が出るため、着水のサインになるため悪くないポイントだと感じました。
巻きの使用感は?
巻き感に関しては、さすがスティーズといったもので、非常に滑らかです。
17スティーズA TWの巻き感に加えて、ハイパードライブデザインによってカッチリとした感触がでました。
しかし、元々スティーズは非常に巻き感がいいため、ものすごく感触が良くなった!というほどではありませんでした。
合わせるロッドの硬さは?
21スティーズA TW HLCは20g以上の重たいルアーを遠投するためのベイトリールです。
ソルトロッドであればMクラス以上での長尺のロッドと合わせるといいでしょう。
バスロッドであればMH~Hクラスのロッドがおすすめです。
10g前後のルアーキャストがメインになるロッドと合わせてしまうと、21スティーズA TW HLCの性能が活かすことができないため、そういったロッドと合わせるのであれば17スティーズA TWの方がいいでしょう。
他のダイワリールとの比較
今回21スティーズA TW HLCを実際に使ってみて、他のダイワのベイトリールとは明確に違い、使い分けができることがわかりましたので紹介していきます。
17スティーズA TWとの使い分けは?
まず比較としては17スティーズATWでしょう。
17スティーズA TWと21スティーズA TW HLCとは完全に使い分けができています。
21スティーズA TW HLCは遠投専用ベイトリールであるため、より安定して遠くに飛ばしたい!という場合以外は17スティーズA TWにするべきです。
理由としては、17スティーズA TWは互換性のあるスプールが非常に多いことが挙げられます。
以下互換性ありのスプール
- モアザンPE TW純正スプール(マグフォースZ-PE)
- SVスプール
- 純正スプール(マグフォースZ)
- K.T.F. カスタムスプール(フィネススプール)
このように17スティーズA TW1台あればマグフォースZ-PEの遠投スプールからSVの幅広い対応幅のスプール、K.T.F.のベイトフィネススプールまで使えます。
17スティーズA TWやモアザンPE TWや16スティーズSV TWをすでに持っている方には、遠投の安定感を得る以外には必要はないでしょう。
ジリオンTW HLCとの使い分けは?
HLCシリーズのベイトリールは今回の21スティーズA TW HLC以外にジリオンTW HLCがあります。
21スティーズA TW HLCとジリオン TW HLCは同じHLCでも使用感は全く違い、それぞれに使い分けができると感じました。
21スティーズA TW HLCはボディもコンパクトで、25㎜幅のスプールであるため、飛距離や安定感はこちらの方が上です。
また、今までのHLCスプールは遠心とマグネットの複合ブレーキだったため、キャスト直後の遠心特有の抵抗感がありましたが、HLCブーストになってからは非常にスムーズに飛んでいくようになりました。
しかし、ジリオンTW HLCはスプール幅が㎜と広いため、遠投した先でのラインの目減りが少ないというメリットと、ラインの食い込みのリスクが少ないというメリットがあります。
また、ジリオンTW HLCはSVスプールやマグフォースなどのスプールの互換性がある点もメリットです。
- 軽いリールで、安定して遠投したい場合は21スティーズA TW HLC
- ラインの目減りや食い込みのリスクを下げ、互換性のあるスプールで幅広い釣りに対応したい場合はジリオンTW HLC
という使い分けができます。
21スティーズA TW HLCのおすすめシチュエーション
21スティーズA TW HLCはどういったシチュエーションで使用するのがおすすめでしょうか?
実際に使って見た感想としては以下のシチュエーションには非常に合うということがわかりました。
- 琵琶湖などのヘビキャロ遠投やバイブレーション遠投
- ライトショアジギング
- サーフゲーム
- 大河川
- 沖堤防
これらのシチュエーションではキャストするルアーの重量も重たくなり、飛距離も重要になるため21スティーズA TW HLCにはぴったりです。
まとめ
21スティーズA TW HLCは完全に遠投特化したベイトリールであることがわかりました。
バーサタイルな性能ではなく、とにかく遠くに飛ばすことが重要だと方には非常におすすめなベイトリールです。
ぜひダイワ最強の遠投ベイトリールの性能を試してみてはいかがでしょうか。